始まった住所変更登記の義務化、相続人が知るべきこと

始まった住所変更登記の 義務化、相続人が 知るべきこと 相続全般

なぜ今、住所変更登記義務化が必要とされたのか

所有者不明土地が全国で増え続け、公共事業や防災計画、空き家対策が滞る事態が深刻化しています。
記載住所や氏名が古いままの登記簿が原因で所有者を特定できず、行政コストが膨らむ問題が顕在化しました。
こうした背景を受け、改正不動産登記法が二〇二四年四月に施行され、相続登記義務がスタートしました。
続く二〇二六年四月一日からは登記名義人の住所・氏名変更登記が義務化され、正確で最新の情報を登記簿に反映させる制度へと移行します。
相続登記は、「相続発生によって不動産の所有者が誰になったのか」を明記するため、住所変更登記は「所有者がどこに住んでいるのか」を明記するための手続きとご理解ください。

住所変更登記義務化の概要と対象者

二〇二六年四月からの変更点

改正法では、登記名義人が転居や婚姻により住所や氏名を変更した場合、変更後二年以内に変更登記を申請する義務が課されます。
対象者は土地や建物の名義人である個人または法人です。
住所変更登記義務化というキーワードで検索が増えているように、相続人にとっても無関係ではありません。

適用対象となる不動産と登記内容

義務は所有権の存否に関係なく、すべての土地建物に及びます。
相続人が取得した不動産についても、名義人自身が転居したときは新住所を届け出る必要があります。
ですから、相続登記が完了したからもう安心、ということではなく、その後登記名義人が引っ越しをしたらまた登記をしないといけないということになります。

違反時の過料

正当な理由なく期限を超過すると、五万円以下の過料が科されます。
不動産登記法一六四条の三に基づく行政罰であり、過料額は物件数に応じて判断されます。

相続人が注意すべき三つの視点

相続不動産と住所未変更のリスク

相続登記を済ませても、その後に転居すれば住所変更登記義務が発生します。
住民票や戸籍附票が古くなると連続性を示す資料の取得が難しくなり、変更登記が却下されるリスクが高まります。

住所変更と相続登記を同時に行うメリット

相続登記の申請時に現住所証明を添付すると、相続人の名義が最新の状態で登記簿に載ります。
行政書士や司法書士に依頼すれば、戸籍謄本と住民票を一括収集し、相続登記と住所変更登記をセットで完了させるため、将来の手続きを省力化できます。
2026年からスタートするスマート変更登記を活用すれば、何度引っ越ししても自動で住所変更登記がされます。

別ブログ記事で詳しく解説していますので、ごらんください。

行政書士が解説する住所変更登記の実務

手続きの流れと必要書類

まず登記簿謄本で現住所を確認し、住民票や戸籍附票で旧住所から新住所までの連続性を証明します。次に変更登記申請書を作成し、管轄法務局へオンラインまたは窓口で提出します。
登記識別情報は原則不要ですが、法務局が求める場合に備え準備しておくと安心です。

よくあるミスと防止策

連続性を示す附票が途中で途切れている、外国字の氏名表記ゆれ、押印漏れなどが却下理由になります。申請前に行政書士のリーガルチェックを受ければ書類不備を回避できます。

不動産を複数所有する場合の整理手順

名義人が複数物件を所有する場合、一括申請で手数料を抑えられます。
物件ごとの権利部と甲区番号を整理した一覧表を作成し、添付書類をまとめて提出する方法が効率的です。

姫路市での相談事例と行政書士の支援

相続人が直面した具体的な課題

姫路市内の事例では、祖父名義の土地を孫が相続した後に転居し、新住所を登記していなかったため、空き家解体補助金の申請が遅れました。
行政書士が戸籍と附票を遡り住所変更登記を代行して補助金の期限に間に合ったケースがあります。

専門家サポートの流れ

当行政書士事務所では登記簿の現状調査から書類取得、申請書作成、オンライン申請、完了後の登記事項証明取得まで一貫して対応します。
初回無料相談をしており、外出困難な高齢者には出張サービスも提供しています。

まとめ──住所変更登記義務化時代に備える相続対策

住所変更登記義務化は所有者不明土地問題を解消するための制度であり、名義人の責任を明確にします。
相続人にとっては登記情報を最新に保つことが法的義務となり、過料リスクを避けるため早期対応が不可欠です。
相続登記と同時に住所変更を済ませておけば、将来の売却や活用、固定資産税通知の受取でも困らずに済みます。

行政書士に相談するメリット(姫路市エリア)

当行政書士事務所では住所変更登記に必要な住民票や附票の連続性確認、申請書の正確な記載、法務局との補正対応まで専門知識で支援します。登記義務化の施行を待つのではなく、今すぐ下の問い合わせページから相談し、安心できる名義管理を始めましょう。


本記事は不動産登記法改正(令和六年四月施行分および令和八年四月施行分)と法務省公開資料を参照して執筆しました。最新の運用細則は法務局窓口または公式サイトで必ず確認してください。

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