遺言書を書かない10のリスク|相続争いを防ぐ行政書士解説

遺言書を書かない 10のリスク 遺言書

(この記事は一般的情報の提供を目的としており、個別事案については必ず専門家にご相談ください)

「まだ元気だから」「財産は少ないから」と遺言書を後回しにしていませんか?
遺言書を残さなかった結果、兄弟姉妹が絶縁、内縁配偶者が無権利、裁判沙汰に発展――。兵庫県姫路市で相続相談を受ける行政書士として、実際に見聞きした“10の対立シナリオ”と、法律・公的制度を踏まえた回避策を解説します。


遺言書を書かないと起こる10の対立シナリオとは?

1. 兄弟が口をきかなくなる—遺産分割協議の泥沼化

  • 法的背景:相続人全員の合意が必要(民法906条)
  • 実務ポイント:遺産評価や特別受益・寄与分の主張が紛糾しやすい
  • 回避策:配分割合と理由を遺言で明示+付言事項で感謝を添える

2. 内縁配偶者が「赤の他人」扱い

  • 法定相続権なし(民法890条)
  • 救済策:遺贈/負担付遺贈、家族信託、生前贈与

3. 不動産共有で売れない・貸せない

  • 共有持分の売却には原則全員同意(民法251条)
  • 解決策:特定受遺引受人指定か、代償分割を遺言に盛り込む

4. 行方不明の相続人がいて手続き停止

  • 失踪宣告や不在者財産管理人申立てが必要(家事事件手続法200条)
  • 遺言書があれば:遺言執行者が単独で手続可(民法1012条)

5. 借金相続放棄を巡る混乱

  • 相続放棄は自己のために相続の開始を知った時から3か月以内(民法915条)
  • 遺言で負債承継先や保険金充当策を明記→判断材料を家族に残す

6. 予期せぬ借金で家族が連帯保証人に

  • 信用情報の調査不足で負債判明が遅れる
  • 対策:負債一覧を財産目録に記載+遺言書保管制度で安全管理

7. 「優遇された子ども疑惑」で遺留分請求

  • 遺留分侵害額請求(民法1046条)で配分が修正される可能性
  • 付言事項で生前贈与や介護負担の事情を説明→感情的軋轢を緩和

8. 介護した子が報われない

  • 寄与分主張には裁判所の判断が必要(民法904条の2)
  • 感謝遺贈+介護記録を証拠化→紛争コストを抑制

9. 認知症発症後の遺言が無効に

  • 判断能力要件(民法963条)
  • 早期作成+専門家関与+公正証書遺言で真正担保

10. 裁判沙汰で家族関係が修復不能

  • 遺産分割調停→審判→訴訟の長期化
  • 時間・費用・人間関係の三重損失を防ぐ“遺言書+家族会議”

遺言書作成で得られる3つのメリット

  1. 家族間の対立予防—法的根拠が明確
  2. 手続コスト削減—不動産名義変更もスムーズ
  3. 意思尊重の安心感—内縁配偶者・介護従事者の保護

行政書士が提供できるサポート

サービス内容備考
自筆・公正証書遺言作成支援ヒアリング→文案作成→チェック訴訟代理は弁護士紹介可
相続人関係図・財産目録作成戸籍調査・登記事項証明書収集電子データ納品可
遺言執行者就任執行・名義変更・金融機関手続行政書士法§1条の3適合業務

行政書士は「書類作成の専門家」です。裁判代理行為は弁護士が対応しますので、必要に応じ連携いたします。


よくある質問(FAQ構造化データ推奨)

Q. 公正証書遺言の費用は?
A. 遺産総額に比例し手数料が変動(例:1,000万円の場合1.1万円)。詳細は日本公証人連合会をご確認ください。

Q. 遺言書保管制度と公正証書、どちらが安全?
A. 紛失防止なら保管制度、真正担保なら公正証書。併用も可。


まとめ

遺言書は“書かないリスク”をゼロにする最短ルートです。
兄弟不和・生活破綻・裁判沙汰――この三重苦を未然に防ぐため、今日から準備を始めましょう。


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