行政書士が教える|安全なリースバックと悪質な押し買いの見分け方

安全なリースバックと 悪質な押し買いの見分け方 不動産

はじめに

自宅を売却しても住み続けられる「リースバック」は、高齢者が老後資金を確保しながら住み慣れた家に暮らせる仕組みとして広がっています。
国土交通省が公表するガイドブックでも、生活資金を一括で得られる点と住環境を維持できる点が大きな利点として紹介されています。 (リースバック=怪しい、というわけではないです)
一方で、この仕組みを装った「押し買い」被害が全国で問題化し、国民生活センターは二〇二五年五月に強引な勧誘への注意を呼び掛けました。 
姫路市でも相談が増えており、制度を正しく理解することが安全な取引の第一歩になります。

リースバックとは何か

リースバックは、所有者が自宅を買主に売却したあと、同じ物件について賃貸借契約を締結し、そのまま居住し続ける取引です。
自分が亡くなった後に、不動産を売ってまとまったお金が入っても意味がない、遠方に住む子供も実家を必要としていないなどのケースの場合は有効な手段となりえます。
不動産の売買契約には宅地建物取引業法が適用されるため、買主が宅建業者である場合は免許番号と取引主任者の記名が義務付けられます。
免許を確認する際は国土交通省の免許番号検索システムを利用すると安心です。 
契約書には売却価格、賃料、契約期間、再買戻しの可否と価格決定方法が明確に記載されなければなりません。
これらが不明確なまま締結すると、退去要求や家賃の突然の値上げといったリースバック特有のトラブルに発展するおそれがあります。

また再買戻し条項が将来のライフプランに影響するため、再購入を希望する場合は価格式と期限が契約書に盛り込まれているか確認してください。

不動産を活用して老後資金を調達する方法としては、「リバースモーゲージ」というものもあります。
他ブログ記事で解説していますので、参考にしてください。

押し買いとは何か

押し買いは、不用品買取などと称して訪問し、貴金属や骨とう品などの買取をその場で印鑑や署名を迫る手口が典型ですが、自宅を不当な安価で売却するよう迫るケースが増えています。
 
高齢者の判断力低下や孤独感に付け込んで「今日中に決めてください」と強引に迫るのが特徴で、結果として不当に安い価格で自宅を手放してしまう深刻な被害が報告されています。
訪問購入を規制する特定商取引法は「物品」を対象としており、不動産は適用除外と定められています。そのため、不動産を売る立場の高齢者が押し買い被害に遭った場合、クーリングオフを期待しても法律上は保護されません。

リースバックとの大きな違いは、賃貸借契約の有無です。
合法的なリースバックは売買契約と賃貸借契約がセットになり、契約内容が書面で交付されます。
押し買いでは賃貸借契約が存在しない、または曖昧であることが多く、退去や立ち退きを一方的に迫られる危険があります。
説明文書が不十分だったり、契約書そのものが簡易な場合は押し買いの可能性が高まります。

クーリングオフの誤解と実際の法的保護

宅建業者が売主となり消費者が買主として自宅などで契約を結んだ場合、宅地建物取引業法三七条の二に基づき八日間のクーリングオフが認められます。
しかしリースバックや押し買いの多くは「消費者が売主」であり、この場合は宅建業法による解除権が発動しません。
実務では、虚偽説明や強迫があったと立証できれば民法九十六条の詐欺取消し、断定的判断の提供があれば消費者契約法四条の取消し、重要事項説明義務に違反すれば宅建業法違反を根拠に行政処分を求めるなど、多層的な救済策を組み合わせて解決を図ります。
早期に専門家へ相談し、契約書とやり取りの記録をそろえることが鍵になります。

行政書士が提案する安全性チェック

契約書面の透明性が最重要です。
売買価格や賃料の根拠、再買戻し価格の算定式、違約金条項、契約解除条件が明記されていれば信頼性は高まります。
反対に、相場を大幅に下回る売却価格や、契約を当日中に迫る姿勢は警戒すべきサインです。
疑問があれば行政書士や宅建士に即時に相談し、第三者の意見を得ることが冷静な判断につながります。

姫路市で起きたトラブル事例

姫路市内で高齢者がリースバックを装った契約を結び、すぐに退去を求められた相談がありました。
賃貸借契約が存在せず、押し買いに該当する疑いが濃厚でした。
家族の依頼で行政書士が内容証明郵便を送付し、特定商取引法の訪問購入規定違反を主張して交渉した結果、契約は解除となり、一部返金を受けられました。
早期に専門家が介入したことが被害拡大を防いだ要因です。

安全なリースバックを選ぶためのポイント

第一に、複数社から査定と賃料提案を受け、価格の妥当性を比較することが大切です。
第二に、宅建業者の免許番号、過去の継続年数、行政処分歴を確認してください。
第三に、契約書を家族や専門家に示し、リスクを共有しておくと安心です。国土交通省が公開する「住宅のリースバックに関するガイドブック」でも、契約前に複数社比較と専門家確認を推奨しています。

相談窓口と今後の備え

不安を感じた場合は、姫路市消費生活センターや行政書士会の無料相談を活用すると被害を未然に防げます。
取引を検討している方は、当行政書士事務所の無料相談をご利用ください。
電話とLINEの相談窓口は平日九時から十八時まで開設しています。
急がされる契約ほど危険です。必ず書面を読み、第三者に確認してから署名捺印する習慣を持つことで、大切な住まいと財産を守れます。

 

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