行政書士監修|訪問看護と相続の適切な対応方法とは

訪問看護と相続の 適切な対応方法とは 後見

在宅医療の進展と相続への備え

在宅療養を望む高齢者が増えるにつれ、医師の指示を受けた看護師が自宅を訪問して医療処置を行う「訪問看護」の需要が拡大しています。
介護保険法四十二条や医療法施行令に基づく公的サービスとして位置づけられており、要支援・要介護認定を受けた方や終末期医療を希望する患者が主な対象です。
自宅で看護を受けながら穏やかな最期を迎えられる点が家族の心理的負担を軽減する一方で、利用者が亡くなった後には、サービス終了手続き、医療費の精算、高額療養費・医療費控除の申請、遺産分割協議など、相続人が短期間で対処しなければならない課題が多岐にわたります。
行政書士の立場から、訪問看護と相続が交差する場面で押さえておくべきポイントを解説します。

訪問看護の仕組みと契約上のポイント

訪問看護とは

訪問看護は、医師の訪問看護指示書に基づき看護師や理学療法士が自宅を訪問し、点滴管理や褥瘡(じょくそう)処置などの医療行為を含む療養上の世話を提供するサービスです。
費用は介護保険または医療保険から九割または七割が給付され、自己負担は原則一割か三割に抑えられます。
厚生労働省の「訪問看護療養費算定要件通知」では、終末期であっても死亡日当日の看護提供が給付対象になるため、利用者が亡くなった月の費用精算は日割り計算で行われる点に注意が必要です。

利用契約の基本構造

契約は訪問看護ステーションと利用者本人で締結します。
契約書には訪問回数、サービス内容、交通費やキャンセル規定が明記され、家族が内容を把握しておくことが不可欠です。
医師の指示書と看護記録はそれぞれ五年と二年の保存義務が課されており、死後も写しの交付を受けることで介護・医療費の全体像を確認できます。

訪問看護中に相続が発生した場合の実務対応

サービス終了と費用精算

利用者が亡くなったときは、速やかに訪問看護ステーションへ連絡し、死亡日をもって契約を終了させます。
当月分の利用料は日割りで計算され、前払い費用は全額返還されるのが原則です。
過誤請求が判明した場合、ステーションが給付費を返還し、不足分があれば相続財産から支出する流れになります。

医療費控除と高額療養費の申請

訪問看護費用は医療費控除の対象です。
確定申告には領収書、指示書、サービス明細が求められるため、相続人は書類を保管し、国税庁の「医療費控除Q&A」を参照して申告します。
自己負担額が高額療養費の上限を超える場合には市町村へ支給申請が可能で、支給決定通知書は相続財産の一部として財産目録に計上します。

看護記録と介護情報の共有

看護記録にはバイタルや処置内容だけでなく、家族が負担した介護状況が詳細に残ります。
相続人間で寄与分を調整する際、これらの客観的記録が重要な根拠となることがあります。
コピーを取得して情報を共有すると、後の話し合いが円滑になります。

相続準備として進めたい段取り

財産目録と遺産整理

自宅療養者の財産は現預金と保険が中心になる傾向があります。
行政書士と共に通帳、証券、保険証券、年金通知書、介護・医療費の未払明細を確認し、負債も含めた財産目録を作成することで、相続開始後の調査期間を短縮できます。

遺言書の整備と公正証書の活用

終末期医療を受ける前に公正証書遺言を作成しておけば、家庭裁判所の検認手続きが不要となり、預金解約や不動産名義変更が数週間早く進みます。
遺言書には、介護や看護を担った家族への感謝や寄与の取り扱いを盛り込むことで、感情面の対立を防ぐ効果も期待できます。

後見制度と家族信託の検討

認知機能の低下が懸念される場合、任意後見契約や家族信託を活用して財産管理と医療同意の体制を整えておくと安心です。
行政書士は契約書案の作成、公証人との調整、家庭裁判所への申立ての助言を行います。

行政書士が支援できる主な業務

行政書士はまず被相続人の戸籍を収集し、相続関係説明図を作成して法定相続人を確定します。
そのうえで預貯金・保険・年金・医療費還付金などを調査し、正確な財産目録を整備します。
相続人間の合意内容を遺産分割協議書にまとめ、公証役場で確定日付を取得することで、金融機関や法務局での名義変更が速やかに進みます。
生前対策としては公正証書遺言や信託契約の文案を作成し、公証人立会いのもとで確実に成立させる支援を行います。

まとめと結論:訪問看護と相続は早めの連携が安心につながる

訪問看護は在宅医療と家庭をつなぐ大切なサービスですが、利用者が亡くなると医療費精算や契約終了、遺産整理が短期間に重なります。
生前に契約内容と財産状況を整理し、公正証書遺言や家族信託で意思を明確にしておけば、家族は看取りに集中でき、相続手続きも円滑に進みます。
行政書士の専門支援を活用し、訪問看護と相続をセットで備えることが安心への近道です。

行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報(姫路市対応)

当行政書士事務所では、訪問看護利用者とご家族を対象に、戸籍調査と相続人確定、財産目録作成、公正証書遺言・家族信託支援、遺産分割協議書作成、高額療養費・医療費控除の申請まで一括サポートしています。
初回相談は無料です。訪問看護と相続で不安を抱えた際は、下の問い合わせページからどうぞお気軽にお問い合わせください。


※本記事は一般的な法情報の提供を目的としており、個別案件については行政書士または関係専門家へ直接ご相談ください。

 

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