行政書士監修|通所リハビリと相続手続き 事前準備で家族の負担を軽減する方法

通所リハビリと相続 事前準備で家族の 負担を軽減する方法 後見

在宅支援と相続の連携が求められる時代

通所リハビリテーション(一般にデイケアと呼ばれます)は、介護保険法八条八項に基づいて提供されるサービスで、要支援・要介護認定を受けた高齢者が日帰りで施設に通い、医師や理学療法士、作業療法士の専門的支援を受けながら生活機能の維持と改善を目指します。
在宅生活を続けたい高齢者にとって、デイケアは医療と介護の中間に位置する重要な仕組みです。
しかし通所リハビリを利用する方が亡くなると、契約終了、利用料精算、高額介護サービス費還付、医療費控除、そして遺産分割協議など、相続手続きをめぐる多くの実務課題が一度に発生します。
行政書士としての経験を踏まえ、通所リハビリと相続をスムーズに連携させるための準備と手続きを解説します。

通所リハビリの概要と契約内容の確認

通所リハビリ(デイケア)とは

デイケアは医療機関併設のリハビリ施設で行われ、医師の医学的管理の下、個別リハビリテーション加算やリハビリテーションマネジメント加算などの介護給付費が算定されます。
自宅では難しい専門的な訓練や短期集中リハビリが可能であり、要介護度の維持・改善だけでなく、家族の介護負担軽減、社会参加の継続、認知症進行の抑制にも寄与します。

契約内容のチェックポイント

契約は原則として本人と施設との間で締結し、重要事項説明書には利用日数、送迎の有無、医師の指示範囲、自己負担割合、キャンセル規定などが記載されています。
死亡月は「居宅サービス契約・解除マニュアル」に従い日割り精算となり、加算分を含めた前払い金は全額返還が原則です。
家族は契約書と毎月の利用明細を保管し、サービス内容と費用構造を把握しておくことが後の相続実務を大幅に簡略化します。

相続が発生したときの対応手順

サービス停止と費用清算

利用者が亡くなったら、まず施設に連絡して契約終了手続きを行います。
未払いの利用料は相続財産から支払いますが、高額介護サービス費の上限を超えた自己負担分は市区町村に還付申請でき、還付金は相続財産に含めて財産目録に記載する必要があります。
キャンセル料の有無や計算方法は契約条項で異なるため、事前に確認しておくと安心です。

医療費控除の活用と証憑管理

通所リハビリで発生した自己負担額は医療費控除の対象になる場合があります。
国税庁の医療費控除Q&Aでは、介護保険対象サービスのうち、医師や理学療法士、作業療法士によるリハビリは控除対象とされています。
確定申告の際に領収書や明細書が必要となるため、相続開始後も遺族が整理して保管することが重要です。

介護・医療記録の取得と相続人間の調整

施設の介護記録と医療記録は二年間の保存義務があり、家族は写しの交付を受けることができます。
被相続人の生活実態や家族の介護貢献度を客観的に証明する資料となり、遺産分割協議で寄与分や特別寄与料を検討する際に有力な根拠となるため、早めに取得を依頼します。

相続手続きの事前準備が鍵

財産目録の作成と財産整理

行政書士が金融機関に残高証明を請求し、不動産登記事項証明書を取り寄せ、保険証券を整理することで正確な財産目録が完成します。
日頃から通帳コピーや固定資産税通知書をまとめておくと、相続人は調査期間を短縮できます。
負債の有無も合わせて確認し、相続放棄や限定承認を検討する判断材料とします。

遺言書の整備と効力

公正証書遺言は公証人が内容を確認し、作成後に原本を公証役場が保管するため、改ざんの心配がなく検認も不要です。
デイケア利用中に支えた家族への感謝や遺贈も合法的に実行できます。
自筆証書遺言の場合は法務局の遺言書保管制度を利用すれば、検認手続きが簡素化され、紛失リスクも回避できます。

成年後見制度や家族信託の活用

認知機能の低下が予想される場合、任意後見契約を公証人役場で締結しておくと、判断能力低下時に受任者が後見人として速やかに就任できます。
より柔軟な資産承継と介護費の確保を両立させたい場合は家族信託を設計し、受託者が信託口座からデイケア利用料を支払う仕組みを構築できます。
行政書士は信託契約条項の起案、公証人との日程調整、信託登記(不動産信託の場合)に至るまでトータルで支援します。

行政書士による支援の具体例

行政書士は相続人調査のため出生から死亡までの戸籍を収集し、相続関係説明図を作成します。
不動産評価や保険請求、預貯金照会を行い、財産目録を確定したうえで、相続人全員の合意事項を遺産分割協議書にまとめます。
併せて高額介護サービス費の還付申請書や医療費控除の明細書を作成し、税理士に連携することで確定申告まで滞りなく完了させることが可能です。

まとめと結論:通所リハビリと相続は一体で考える

通所リハビリは在宅療養の質を高める一方、利用者の死亡後には介護給付費の精算や医療費控除、高額介護サービス費還付、遺産分割協議など複雑な相続実務が待っています。
生前から契約内容と財産を整理し、公正証書遺言や家族信託で意思を明確にしておけば、法的トラブルを避けつつ家族の心理的・経済的負担を大幅に軽減できます。
行政書士の専門サポートを活用し、デイケア 相続手続きを安心して進めましょう。

行政書士への相談とサポート内容(姫路市対応)

姫路市の当行政書士事務所では、戸籍取得、相続関係説明図作成、財産目録整備、公正証書遺言・家族信託設計、高額介護サービス費の還付申請、医療費控除明細作成まで一括支援しています。
初回相談は無料です。通所リハビリと相続でお困りの際は、下の問い合わせページからどうぞお気軽にご相談ください。


※本記事は一般的な法情報の提供を目的としており、具体的な案件については行政書士または関係専門家へ直接ご相談ください。

 

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