相続前に済ませておきたい境界確定のポイント

相続前に済ませておきたい境界確定のポイント 不動産

境界が曖昧なまま相続すると何が起こるか

土地を含む遺産を相続する際に後々まで尾を引くのが境界トラブルです。
登記簿上の境界線と現地で使っている境界線が一致していなければ、分筆や売却はもちろん、金融機関の担保評価にも支障が生じます。
特に遺産分割協議が複数の相続人にまたがる場合、境界が未確定であることが原因で手続きが長期化し、近隣関係も悪化する事例が後を絶ちません。
相続を円滑に進めるうえで、境界確定測量を生前に済ませることは今や必須と言える状況です。

境界確定とは何か

境界には登記簿に記された筆界と、実際に所有者が使用している所有権界があります。
まずは法務局で公図や地積測量図を取得し、現地の利用状況を照合するところから始まります。
ご先祖様から受け継いだ土地、という場合は地積測量図がそもそもなかったり、手書きの簡易な三角関数だけを使ったものしかないというケースが多々あります。
それらを確認したうえで土地家屋調査士が測量を行い、隣地所有者全員の立会確認を経て境界標を設置し、筆界確認書や境界確認書を作成します。
国土交通省所管の地籍調査が未了地域では、この民間手続きが実務上のスタンダードになります。

境界未確定がもたらす三つのリスク

第一に相続登記や分筆登記が滞ります。
境界の位置が定まらなければ法務局は面積を確定できず、登記完了までに追加資料を求められるケースが少なくありません。
第二に土地の流通性が著しく下がります。境界が不明確な土地は買主が敬遠し、担保評価も低下するため売却までの時間とコストが増大します。ここからここまでが自分の土地だ、とわかっていないあいまいな土地は誰でも買いたくないですよね。
第三に固定資産税や相続税の評価が不正確になります。
実測面積と登記面積が異なれば、後に税額が増減修正されるリスクを抱え続けることになります。

相続前に行う境界確定測量の実務手順

最初に土地家屋調査士へ依頼し、現況測量図を作成してもらいます。
続いて隣地所有者へ測量の趣旨と日程を文書で通知し、立会日に境界標の位置を確認します。
同意が得られれば境界確認書を交わし、必要に応じて地積更正登記を申請します。
合意が得られない場合は、法務省が運営する筆界特定制度を利用する方法があり、姫路法務局でも受付が可能です。
制度の概要は法務省ウェブサイトの「筆界特定制度のご案内」で詳しく説明されています。
スムーズに進んでも半年ぐらいは普通にかかる作業です。筆界特定制度を使うと年単位で時間が必要になります。十分前もって着手することをお勧めします。

境界確定で得られる三つの効果

一つ目は隣地トラブルの予防です。境界標が恒久的に設置され、法的根拠のある書面が残ることで、後世の相続人が無用な紛争を避けられます。
二つ目は土地の流動性向上です。境界確認書付きの土地は不動産取引の際に買主の安心材料となり、金融機関の担保評価もスムーズになります。
三つ目は税務面の透明性です。地積更正登記が完了すれば国税庁の路線価評価や市町村の固定資産税評価も実測面積で整合がとれるため、過大課税や過少課税のリスクが軽減します。

測量費用と税務への影響

測量費用は地形や隣接筆数によって異なりますが、姫路市内の平坦地であれば一筆あたり二十万円から五十万円が相場です。
個人が将来土地を譲渡する場合、この費用は取得費に加算できるため譲渡所得税の課税ベースを下げる効果があります。何筆も土地がある場合は、大幅に節税になる可能性があります。
法人所有地であれば資本的支出として処理し、減価償却の対象になる場合もあります。税務取扱いはケースごとに異なるため、着手前に税理士へ確認すると安心です。

行政書士が提供できる支援

行政書士は被相続人の戸籍収集から相続関係説明図、遺産分割協議書の作成まで一括して対応し、境界確定測量の工程では土地家屋調査士との連絡窓口を引き受けます。
さらに生前贈与や家族信託のスキームを組み込み、確定後の土地活用・売却を見据えた総合プランを提案できます。

姫路市での実践例

私の祖母の例で恐縮ですが、生前に幾つかの土地の境界確定を行いました。
何十年も前からの隣人や親類と、昔からの事情も分かったうえでの境界立ち合いですのでとてもスムースに運ぶことができました。
相手方にすると、こちら側の費用負担で隣接地の境界確定をしてもらえたということになりますので、むしろ喜ばれました。
測量登記費用もかなりの額になりましたので、結果的に相続税圧縮にもつながりました。

まとめ:境界確定は相続準備の核心

土地の境界を確定させることは、遺産分割の円滑化、資産価値の維持、税務リスクの低減という三つの効果を同時にもたらします。
測量費用はかかりますが、相続発生後に長期紛争となるコストと比較すれば投資価値は高いと言えます。
行政書士や土地家屋調査士など専門家と連携し、生前のうちに境界確定を済ませておくことが、家族と地域に対する最良の備えになります。

姫路市での相談窓口

姫路市で境界確定や土地相続の相談を検討される方は、法務局の「筆界特定相談窓口」を利用するか、当事務所にお問い合わせください。
当事務所では初回相談を無料で承り、測量費用の概算見積りから相続登記書類の作成までワンストップでサポートいたします。ご予約は下の問い合わせページから電話またはメールフォームにて受け付けています。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件については土地家屋調査士・行政書士・税理士など専門家へご相談ください。

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